なにかをさわったとき、「バチッ」と音がしたり、さわった手が痛くなったりすることがあります。これは「静電気(せいでんき)」によるもので、だれもが小さなころから経験しているのではないでしょうか。
「静電気」は「条件(じょうけん)」さえそろえばいつでも起こるものですが、とくに冬に多くなります。今回は「静電気」はどうして起こるのか、そのしくみをご紹介します。
関連記事:電気ってなに?静電気やカミナリは?親子で学ぶ電気のしくみ
「静電気」はその名前のとおり、電気が関係しています。コンセントもプラグも電化製品(でんかせいひん)もない、電気があるようには思えない場所でも起こる静電気。しかし電気は、どんな「物」にもそんざいしているのです。もちろん、人間にもあるんですよ。
「物(物質・ぶっしつ)」を作っている「原子(げんし)」は、プラスとマイナスの電気を持っています。そんなプラスとマイナスの電気の数が、それぞれ同じときはバランスがとれていて、静電気は起こりません。しかし、電気の数のバランスがくずれてしまうことがあるのです。
電気の数のバランスがくずれてしまうとき、それは物と物とがこすれあったり、くっついていたものがはがれたりするときなどです。こすれあったり、はがれたりするとき、おたがいの電気もはなれてしまうことがあります。
たとえばAにプラスとマイナスが10個、Bにも同じ数の電気があったとします。こすれあうことで、Aからマイナスの電気が数個、Bにいどうしてしまうことがあるのです。そのとき、「原子」から「電気」が外に飛び出しているじょうたいになります。これを「静電気」とよんでいるのです。
服をぬいだり、着ている服がなにかとこすれあったり、ブラシでかみの毛をといたり、さまざまな理由で人間の体には静電気がたまります。そんな静電気がたまっているときに、ほかの「物」にさわることで体にたまった静電気が放出(ほうしゅつ)されます。つまり、「放電(ほうでん)」されるのです。そのときに「バチっ」と音が鳴ったり、痛みを感じたりするんですね。
雷(かみなり)も静電気のなかまです。雲のなかにある小さな氷の粒がこすれあうことで、静電気がたまっていくんですよ。つまり雷は「巨大な静電気」なんですね。
下じきとかみの毛をこすりあわせて、かみの毛が下じきにくっつく遊びがありますね。だれもが一度はやったことがあるのではないでしょうか。これも、静電気によるものなのです。電気と電気は引っぱりあったり、はなれたりするせいしつがあります。かみの毛が下じきにくっつくのは、引っぱりあう力が働いているからなのです。
夏よりも冬のほうが静電気が起こりやすくなります。これは空気がかんそうしているから。空気にふくまれている水分には、電気が流れやすいというとくちょうがあります。冬はかんそうしていて空気にふくまれている水分が少ないため、静電気が起こりやすくなっています。
静電気は痛みがあるのでできれば起こってほしくないものです。しかし起こってしまったときには、「どうして静電気が起こったの?」と原因を探してみてはいかがでしょうか。自分の着ている服、静電気が起こる前の行動、湿度など、探偵(たんてい)気分でいろいろ調べてみるとおもしろいですよ。