雷(かみなり)は、わたしたちがよく知る天気のひとつです。空が光り、稲光(いなびかり)やはげしい音とともに雷が地上に落ち、強い雨が降る、そんな「夕立(ゆうだち)」にそうぐうしたことがある人も多いことでしょう。
だれもが「雷」は「電気(静電気・せいでんき)」だということを知っています。当たり前のこととして、小さな子どものころから知っているもの。テレビで紹介されたり、アニメやゲームに雷を使う「電気ぞくせい」のキャラクターが登場したり、さまざまな形で「雷イコール電気」であることを知っていきます。
しかし、昔はそうではありませんでした。今回は「雷」が「電気」だとわかったのはいつなのか、だれが発見したのかを見ていきましょう!
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神話や昔話には、雷の力を使う神様が多く登場します。日本神話やギリシャ神話をはじめ、ケルト神話やインド神話など、さまざまな神話にかならずといっていいほど登場する「雷」の神様。雷の力はとても強く、昔の人々は神様が使う力としておそれていました。
しかし、1752年にアメリカの「ベンジャミン・フランクリン」という人物がおこなったまさかの実験により、雷が電気であることがつきとめられたのです。
雷が電気であるということをつきとめる、そのためにはある「実験(じっけん)」がおこなわれました。この実験はマネしてはいけない、キケンなもの。その実験とは、タコを飛ばして雷をつかまえる、というものでした。
「ライデンびん」という、電気を集めることができるビンをとりつけたタコを、雷が鳴っている雨の日に空に飛ばします。そして電気がビンにたまったことで、雷が電気であること、雷の電気にはプラスとマイナスがあることをつきとめました。
「ライデンびん」は、ビンの外がわと内がわに金属をはりつけ、さらにフタに金属のクサリや金属の棒(ぼう)を取り付けたもの。クサリや棒を通った電気が、ビンの金属にふれることで、電気をためることができます。「コンデンサー」と同じ働きをする道具でもあります。
ベンジャミン・フランクリンは、雷が電気でできているものなら、「ライデンびん」にも雷の電気をためることができるかもしれないと考えました。そして、タコに金属の棒(ハリガネ)をくくりつけ、ハリガネを通った電気がタコ糸を伝って「ライデンびん」にたまるというしかけを作って実験をしたのです。
※とてもキケンですので、絶対にマネをしないでください。
ベンジャミン・フランクリンが実験をしたのは1752年のことですから、雷が電気であることがわかってから、まだ260年ほどしかたっていません。そして、エジソンが白熱電球(はくねつでんきゅう)を発明したのは、いまから240年前の1879年のこと。
長い歴史のなかのたった250年前後で、電気に関するたくさんの発見や発明があり、わたしたちの生活につながっていることを考えると、少しフシギな感じがしますね。