17種類の目標と169項目のターゲットで成り立つ、持続可能な開発目標「SDGs」。ゴールを2030年に設定したSDGsは、それぞれの目標ごとに世界中で多くの取り組みが進められています。
今回はこれまで見ててきた17の目標のうち、最後のふたつをピックアップ。16番の目標「平和と公正をすべての人に」と17番の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」について解説します。
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SDGsの16番と17番は、「平和と公正をすべての人に」と「パートナーシップで目標を達成しよう」です。平和と公正は、他の目標にも同様のものが掲げられているとともに、世界の平和への道筋ともなります。パートナーシップに関しても、どの目標においても開発途上国への援助や協力などが掲げられています。
どちらの目標も、他の目標と大きくつながりがあり、関わりのあるもの。とくに17番はSDGs自体を達成するために必要なものと言えるでしょう。
16番目の「平和と公正をすべての人に」は、SDGsの「誰一人取り残さない」という誓いを強く感じるものでもあります。12種類のターゲットを掲げるこの目標では、平和と公正を世界中すべての人にもたらすことが目標であり、そのための必要な社会の構築が求められます。
これらは12種類のターゲットの一部の概要です。この目標16におけるテーマは、「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」というもの。それを達成するためには法的な整備や国際協力、個人でできる限りの支援などが求められます。
現在の世界情勢は決して「平和」と「公正」に近い状態ではなく、戦争や虐待、差別や搾取など、さまざまな形での「暴力」や「犯罪」などがあふれています。それらは大人だけではなく子どもにも大きな影響を及ぼし、幼いうちから教育を受けられずに労働を強いられたり、紛争地にあっては難民ならざるを得なかったり、文化によっては児童婚を強要されるといったケースも見られます。
また暴力や犯罪、紛争だけではなく、災害に対しても同様です。災害によって脅かされる平和や公正、十分な支援を受けられない環境などの解消と対策も求められます。この目標16を達成するには、「誰一人取り残さない」ことがとくに重要になるのです。
17番目、SDGsの最後に掲げられている目標は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。19種類のターゲットがあり、それぞれ「資金」「技術」「貿易」など複数のカテゴリに分類されています。
SDGsの目標を達成するために欠かせないのは、パートナーシップ。身近な家族や隣人はもちろんですが、組織や国を超えた広いパートナーシップが重要です。
前項の目標16を挙げても、たとえば日本単独では決して達成できるものではありません。SDGsの掲げる目標は全て一国内での取り組みだけではなく、世界規模での連携や協力、支援が求められるものです。開発途上国などにおいては、自国での取り組みは非常に厳しく、そのため先進国が率先して支援や協力をする必要があります。
SDGsを達成に導くための努力と、問題や課題の解決への取り組みを進めていくためには、近隣国はもちろん、遠い国との強い結びつきやパートナーシップが求められています。いっぽうで、「SDGsそのもの」からかけ離れた国があることも否めません。そういった国々との連携も、大きな課題であるとともに重要な取り組みと言えるでしょう。
今回ご紹介した16番と17番の目標は、世界の平和と公正、そしてSDGsの目標達成に必要なパートナーシップについて掲げられています。SDGsの他の目標の達成なくして16番の達成はありませんし、17番の目標がなければ他の目標の達成も難しくなります。
SDGsは17の目標すべてが複雑かつ綿密に絡み合っています。目標達成による恩恵が世界中のすべての人々に行き渡るようにするには、決してどの目標も手を抜くことはできません。
2030年の目標達成および実現は難しいと考えられている部分もあるうえ、このコロナ禍によるSDGsへの影響は計り知れません。しかし残り10年で着実に取り組みを進ませ、2030年を超えても持続可能な社会を構築できるようにするためには、目標17の「パートナーシップ」が持つ意味を今一度しっかりと受け止めて実現することが大切ではないでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。