「太陽光発電(たいようこうはつでん)」をはじめ、太陽電池(たいようでんち)を使って動く道具など、わたしたちの身近には太陽の光を利用するものがたくさんありますね。それだけではなく、遠くはなれた宇宙でも太陽の光を利用しているのです。
いま、NASA(ナサ・アメリカ航空宇宙局)が火星で「ヘリコプター」を飛ばす計画を立てています。その計画にも、太陽の光が利用されるんですよ。そこで今回は、火星を飛ぶヘリコプターについてご紹介します!
<関連記事>
エネルギーの視点を宇宙と未来に向けて!月に注目してみよう
火星でも太陽エネルギーを利用!探査車「マーズ・ローバー」!
【宇宙とエネルギー】宇宙エレベーターとエネルギーの未来
国際宇宙ステーション(こくさいうちゅうステーション・ISS)や、人工衛星(じんこうえいせい)など、さまざまな場所で太陽の光をエネルギーに変えて使っています。火星で飛ばす予定のヘリコプターも同じ。太陽電池を使って太陽の光をエネルギーに変え、それを「リチウムイオン電池」に充電(じゅうでん)して使います。
このヘリコプターは、2020年7月に打ち上げられる火星探査機(かせいたんさき)「マーズ2020」に搭載(とうさい)。火星には2021年2月にたどりつく予定になっています。
<関連記事>
国際宇宙ステーションの「電気」はどうしてるの?
火星で飛ばすヘリコプターは、その名を「マーズヘリコプター(Mars Helicopter)」といいます。「Mars(火星)」で飛ぶヘリコプターとして、とてもストレートな名前ですね。このマーズヘリコプターが火星の大気や環境(かんきょう)で飛べることがかくにんできれば、火星探査(かせいたんさ)のはばが大きく広がるのです。
火星探査機で火星の地表(ちひょう)や地形、生命のこんせきや、資源(しげん)などを調査します。そして探査機が進むルートや火星の様子は、火星を周回(しゅうかい)する衛星(えいせい)からの情報(じょうほう)をたよりにしていました。マーズヘリコプターを使えるようになると、ヘリコプターからの情報もくわわります。
つまり衛星からではわからない地上の様子、火星探査機が行くことのできない場所の様子、そういったものがこれまで以上にわかるようになるんですね。
マーズヘリコプターの胴体(どうたい)は、ソフトボールくらいの大きさなのだそう。重さも1.8kgほどですが、小さな体に大きな力を持っています。太陽電池による充電で、1分あたり2枚のブレード(羽根のこと)を3,000回転させる力があります。1秒では50回転もするなんてすごいですね。
火星は地球とちがって、とても過酷(かこく)なかんきょうです。大気もうすく、砂嵐(すなあらし)も多く、そして夜はマイナス100度にまで気温が下がります。そんなかんきょうでも仕事ができるような機能(きのう)を持っているのです。
世界で初めてのマーズヘリコプターが成功(せいこう)すれば、火星探査が大きく進みます。まだ人間は火星に降り立っていませんが、いつか来るその日のための準備(じゅんび)も進むかもしれません。
小さな体に大きなかのうせいを持っているマーズヘリコプターをささえるのは、太陽のエネルギーです。地球上でも太陽のエネルギーをたくさん利用しています。発電や宇宙開発(うちゅうかいはつ)など、さまざまな場面で利用される太陽のエネルギー。地球より太陽から遠い場所にある火星にも太陽の光がとどき、そのエネルギーを利用できるなんてすごいことですね。
<関連記事>
太陽エネルギーの源!太陽ってどんな星?
宇宙で発電した電気を地球に送る!夢のような研究の話