わたしたちが当たり前のように使っている電気は、世界中どこでも同じように使われているわけではありません。世界の国のなかには、電気を使わない「未電化(みでんか)」の地域(ちいき)があります。そして、未電化の地域では、電気のない生活をしている人々がいます。電気がない生活は、わたしたち日本人には想像がつかないのではないでしょうか。
今回は世界の「未電化」の地域や、未電化の生活をしている人々がどれくらいいるのか、ご紹介します。
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いま、電気のない生活をしている人の数は、世界で10億人以上と言われています。日本の人口が1億2,600万人ほどですから、日本の人口の10倍近い数の人々が電気のない生活をしているということに。
そして、世界の人口は74億人ほど。つまり、7~8人にひとりは電気がない生活をしているということになりますね。日本にいては考えられない、想像もつかない環境(かんきょう)ではないでしょうか。
では、世界の「未電化」の割合(わりあい)が多い国を見ていきましょう。これは経済産業省(けいざいさんぎょうしょう)の「資源エネルギー庁(しげんエネルギーちょう)」が発表した、2016年の資料(しりょう)を参考にしています。2016年、たった2年前の数字ですが、「未電化」の人口割合におどろくのではないでしょうか。
<参考・引用>
経済産業省資源エネルギー庁
【第223-1-4】世界の未電化人口(地域別、2016年)
※資源エネルギー庁がIEAの「WEO-2017 Special Report: Energy Access Outlook」をもとに作成
最も未電化の割合が高い、サブサハラとはどんな地域か知っていますか? サブサハラとは、「サブサハラアフリカ」とも言われ、アフリカ大陸にある地域のこと。サハラさばくよりも南の地域のことをさします。
サハラさばくは、アフリカ大陸の北部(ほくぶ)にあるさばく。つまり、アフリカ大陸の北部をのぞく、ほぼすべての地域が「サブサハラ」になるんですね。とても広い地域、アフリカの多くの地域がふくまれます。アフリカには、電気を使わない未電化の地域と人々がとても多くそんざいしているのです。
未電化の地域は、さまざまな国や企業が電気を届けるために取り組みを進めています。日本でも、2018年4月にパナソニックが電気のない地域へと太陽光発電(たいようこうはつでん)や蓄電システム(ちくでんシステム)を届けるためのプロジェクトを発足(ほっそく)。
また、太陽光発電の建設が次々におこなわれているインドでは、2018年12月までに未電化の4000万世帯(せたい)で電気を使えるようにする計画をはじめ、様々な取り組みがあります。このように少しでもたくさんの人々に電気を届けるため、国や企業が日々取り組んでいるのです。
わたしたちは当たり前のように電気を使えますが、世界にはまだ電気が使えない人々がいることを知って、電気の大切さを考えてみてくださいね。次回は、「なぜ未電化の地域があるのか」、その理由についておとどけします。