沖縄の八重山列島に属する「西表島」は、大自然が魅力的な離島。西表島の大自然に魅せられる観光客も多く、毎年多くの人々が西表島に上陸しています。しかしそうしたなか、西表島では2023年4月から入島者数(入域者数)の上限設定が導入されました。
今回は西表島の入島数の制限について、どのようなものなのかスポットを当てていきます。
西表島は沖縄本島の次に大きな面積の離島です。自治体は「竹富町」に属し、石垣島の西に位置しています。また西表島にはイリオモテヤマネコをはじめとした希少な動植物が生息し、固有の生態系が展開。島内の大半を原生林であるジャングルが占め、観光客もそうした自然を体感できるアクティビティを楽しむケースが多く見られます。
西表島観光において重要なのは、島の自然を壊すことのない行動をすることです。西表島の人々も常に自然を尊重し、長い年月を共存してきました。そのうえで、今回の入島者数の制限について見ていきます。
西表島では、2023年4月から入島者数の制限を導入。この制限は、入島者数の上限を1日あたり1,200人、年間33万人に設定しています。また、島内の一部地域では、さらに厳しい上限を設け、ガイドの同伴無く立ち入れないように求めるほか、車両の速度制限も設けるなど、さまざまな規制・制限があります。
この西表島の制限に義務や強制力はありません。あくまでも現時点では協力を求めるものですが、西表島の環境や住民生活を守るために必要な制限でもあります。
西表島では「オーバーツーリズム」が問題となっています。このオーバーツーリズムとは、観光客の増加によって、観光地の環境や住民の生活に悪影響を与えてしまうこと。西表島のオーバーツーリズムの一例としては、イリオモテヤマネコのロードキル(交通事故)が挙げられます。
希少な動植物や生態系などの環境を持つ西表島にとって問題であるとともに、解決しなければならない大きな課題でもあります。また貴重な自然だからこそ世界自然遺産に選ばれたことで、オーバーツーリズムを後押ししてしまう結果にもなってしまっています。
西表島は島民の数を大幅に上回る数の観光客が訪れています。そのいっぽうでこうしたオーバーツーリズムの問題もあり、今回策定された入島者数の制限は必然とも言えるでしょう。
西表島の入島数制限についてご紹介いたしました。西表島では入島数に制限を設けたとは言え強制ではありません。そして、観光客をシャットアウトするというわけでもありませんので、これまでのように観光そのものは可能です。
西表島を観光で訪れる場合は、西表島の環境に配慮した行動をし、自然や生態系、島民の生活に影響のないようにしっかりと心がけたいものです。また、島内の地域ごとのルールやツアー主催者からの注意事項なども正しく理解し、それらを守るように努めることが大切です。