前々回の記事、「【石垣島&西表島】ダークスカイ・パーク「西表石垣国立公園」とは」にて、ダークスカイ・パークとしての西表石垣国立公園をご紹介しました。西表石垣国立公園は、石垣島や西表島はもちろん、その周辺の島を訪れる際にはぜひ国立公園を意識し、立ち寄りたいエリアとも言えます。
今回は西表石垣国立公園そのものにスポットを当て、生息している生物や公園の概要などをご紹介いたします。
西表石垣国立公園は、複数の島や海域から構成される日本最南端の国立公園です。豊かな自然に溢れ、環境保全にも力を入れている西表石垣国立公園。そのエリアは実に広大で、91,676haもあります。そのうち陸地は21,958haで、海域は69,718ha。公園区域に含まれる島々や海域は、以下の通りです。
広大な国立公園ですが、最初から今の広さで指定されているわけではなく、長い年月のあいだに複数の島の編入などがありました。最初は昭和47年4月、まだ沖縄が返還される前のことです。当時の琉球政府によって、「西表政府立公園」として指定されました。
その一ヶ月後に沖縄は日本へと復帰、それに伴って「西表国立公園」となります。その後、公園区域の指定や利用計画、特別区域の指定など、公園に関するさまざまな計画の決定などがおこなわれていきます。
「西表国立公園」が「西表石垣国立公園」になったのは、平成19年のこと。この年の8月に石垣島が公園に編入し公園計画なども変更、それに伴って「西表石垣国立公園」と名称も変わったのです。その後、波照間島や鳩間島の編入、公園エリアが西表島の全域まで拡張されるなどを経て、現在の広大な国立公園へと発展を遂げました。
西表石垣国立公園では、陸域においても海域においても、非常に貴重な生物の数々が見られます。
陸域ではイリオモテヤマネコやカンムリワシ、亜熱帯のジャングル、ヤエヤマヤシ、マングローブ林など、実に多様な生態系が広がり、このエリアでしか見られない動植物も少なくありません。海域ではサンゴ礁やアオサンゴ群落、ナンヨウマンタ、星砂の浜など、陸域に劣らない様子が見られます。
また美しい風景や文化も多く、それらを目的として観光する人々も少なくありません。石垣島の川平湾をはじめ、西表島のピナイサーラの滝やマリユドゥの滝、竹富島の伝統的な街並みといったスポットも西表石垣国立公園に含まれます。
国立公園という響きから、エリア内を散策しながら風景や生態系を観察するというイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。この西表石垣国立公園のエリア内では、シュノーケルやマングローブクルーズ、トレッキングなどといった、海や陸でのアクティビティも可能です。西表島や石垣島、その周辺の島々や海域で自然と触れ合いながら、存分に楽しむことができる公園なのです。
壮大な自然と触れあえる西表石垣国立公園ですが、自然だけではなく八重山諸島の文化にもぜひ触れたいところです。穏やかな風景のなかに、八重山の伝統を感じる景観が見られます。街並みや祭事など、脈々と受け継がれてきた文化を体感してみてもいいですね。
自然と伝統文化が共存する、西表石垣国立公園。八重山諸島を訪れる機会があれば、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
※新型コロナウイルス感染症の状況および感染防止の観点から、アクティビティや祭事の一般観覧などが中止になる場合があります。現地を訪れる際には、事前にご確認ください。