西表島の国指定天然記念物「ウブンドルのヤエヤマヤシ群落」とは


太古からの自然が残る西表島は、沖縄県の八重山列島に属する離島です。自然が豊かな沖縄県において、とくに西表島は他とは比較できないほどの雄大な自然を誇り、観光地としてはもちろん、希少な動植物が生息するなど生態系の面でも大きく注目されています。

 
西表島には「ウブンドルのヤエヤマヤシ群落」という国指定天然記念物があるのをご存じでしょうか。八重山列島にのみ自生する「ヤエヤマヤシ」の群落として、大変貴重な存在です。今回はこのウブンドルのヤエヤマヤシ群落についてご紹介します。

 

ウブンドルのヤエヤマヤシ群落について知る

ヤエヤマヤシの群落として知られるのは、今回ご紹介する西表島のウブンドルのヤエヤマヤシ群落(仲間川エリア)と、星立のヤエヤマヤシ群落(星立天然保護区域内)、そして石垣島の米原のヤエヤマヤシ群落の3カ所。ヤエヤマヤシの群落は、西表島・石垣島にとってはもちろん、日本にとっても非常に希少かつ貴重な存在です。

 
西表島や石垣島への観光の際、ヤエヤマヤシの群落を観察するという方も多く、地元はもちろん、国内外の人々からも愛されています。それではヤエヤマヤシの生態と、ウブンドルのヤエヤマヤシ群落について見ていきましょう。

 

ヤエヤマヤシとは?八重山の固有種の生態

ヤエヤマヤシ(八重山椰子)は、その名称に「八重山」が入るとおり八重山列島の固有種です。ヤシ目ヤシ科ヤエヤマヤシ属の被子植物で、西表島と石垣島に自生しています。また、街路樹として植えられているケースもあり、群落以外でもその姿を見ることができます。

 
ヤシと言えば、誰もが想像する姿のとおり、ヤエヤマヤシも背が高く、上部で大きく広がる葉が特徴的です。成長すると20mを超える個体もあり、群落においては他の樹木よりも高い位置に頭を出す姿は圧巻の一言。幹の太さはおよそ30cm前後で、地面に出ている部分から根を広げているほか、4月~6月には黄色い花をつけている姿が見られます。

 

ウブンドルのヤエヤマヤシ群落はどこにある?

ウブンドルのヤエヤマヤシ群落は、西表石垣国立公園内にあり、仲間川の河口からおよそ6km上流の位置に広がります。群落には大変多くのヤエヤマヤシの姿があり、その背の高さや葉の美しさを観察できます。

 
天然記念物に指定されたのは、まずは1961年のこと。まだ沖縄が日本に返還される前の、琉球政府の時代でした。その後、1972年に沖縄が日本に返還され、国指定天然記念物となったのです。

 
ウブンドルのヤエヤマヤシ群落は、西表島のジャングルの奥深い場所にあります。トレッキングで行くか、遊覧船やカヌーなどを利用して群落の様子やヤエヤマヤシの姿を観察することが可能です。

 

西表島と石垣島のみに自生するヤエヤマヤシ


ウブンドルのヤエヤマヤシ群落についてご紹介いたしました。群落へは前述のとおりトレッキングや遊覧船などで向かう方法がありますが、どの方法で群落へ向かうとしても、正規のガイドやツアーなどの利用をおすすめします。西表島の自然は想像以上に深く、そして貴重な動植物も生息しています。ガイドなどの指示に従い、島のルールを守ることが大切です。

 
ヤエヤマヤシは西表島と石垣島のみに自生する、八重山列島の固有種。それぞれの島の自然と長い年月をかけて共生し、根付いてきた固有種の存在感を放っています。西表島や石垣島を訪れた際には、ぜひヤエヤマヤシ群落に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 
※記事内で使用している画像は、石垣島のヤエヤマヤシです