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【SDGs】すべての人に健康と福祉を、日本の公的医療保険の基本


2022年11月15日、世界の人口が80億人を突破しました。昭和の終わり頃、1987年(昭和62年)に50億人を突破し、そこから35年でさらに30億人が増えました。70億人から80億人に増えるまでには12年かかりましたが、その背景や理由は決して「世界が豊かであるから」ではありません。日本のような先進国では、逆に少子高齢化が問題になっているケースもあります。

 
SDGsでは「誰一人取り残されない」ことを掲げていますが、その実現には困難を伴います。現時点で全人口80億人が豊かな暮らしをしているわけではなく、医療すら受けられない環境にある人々は相当数います。日本では国民皆保険、公的医療保険制度が充実しているため医療を受けやすい環境にありますが、海外では日本と同様というわけではありません。

 
そこで今回は、日本の公的医療保険制度の基本について再確認していきたいと思います。

 

日本の公的医療保険制度はどういったものなのか


「アメリカで病院にかかったら莫大な医療費を請求された」、こうした話をメディアなどで見かけたり、聞いたりしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは日本の公的医療保険が海外で使用できないために起こるほか、海外の医療制度・医療費の制度などに起因するものでもあります。ではわたしたちが普段、当たり前のものとして使用している日本の公的医療保険制度とは、一体どのようなものなのでしょうか。

 

日本が掲げた「国民皆保険」

日本の医療保険制度は「国民皆保険」とも呼ばれ、1958年の「国民健康保険法」の制定から始まりました。これは第二次世界大戦後の日本の低所得者層を救済する目的が背景にあります。

 
国民健康法制定の背景には1956年に発表された「厚生白書」において、1,000万人ほどの低所得者が戦後復興の背後に取り残されてしまっていると記載されたこと、それまでの公的な医療保険に国民の3分の1が未加入であったことなどが挙げられます。当時の国民の3分の1はおよそ3,000万人。こうした状況は復興のさなかにある日本にとって、決して見過ごせる問題ではなかったのです。

 
この「国民皆保険」に至る経緯は、どこか現代のSDGsを想起させるのではないでしょうか。「誰一人取り残されない」、国民全ての医療・福祉を実現するため、戦後間もない日本において公的医療保険が充実、1961年に「国民皆保険」が実現したのです。

 

国民健康保険と被用者保険、日本の公的医療保険制度

日本の公的な医療保険制度には、自治体による「国民健康保険」や、企業などが加入する「被用者保険」があります。このうち被用者保険には、協会けんぽや共済組合などの各種医療保険が含まれており、被保険者によって扶養されている家族も基本的にはこの被用者保険に加入しています。

 
これらは全国民を対象とする医療保険制度で、医療費の1~3割を負担します。また特定の年齢までの児童や児童扶養手当、生活保護、難病指定など、条件に応じて医療費負担がゼロになる制度もあり、日本国民にとって欠かせない公的制度です。

 
公的医療保険制度では、高額な医療費を支払ったときに適用される「高額療養費制度」や、医療費が高額になることが明らかな場合に使用できる「限度額適用認定」などがあり、国民の医療費負担が一定額以上にならないような仕組みになっています。

 
※労災対象や、入院時の差額ベッド代、先進医療や自由診療など保険適用外の対象については、上記に該当しません

 

海外での医療にも対応している?

日本の公的医療保険は海外の医療機関では使用できません。しかし、海外での高額な医療費を補填する制度が存在しています。日本の公的医療保険においては、海外で必要となった医療費の一部が払い戻せる制度があるのです。

 
また公的な医療保険以外にも、海外での医療に対応する制度が充実。その代表的な例が、海外旅行の際に加入する保険です。海外旅行保険では、海外で発生するさまざまなトラブルに対して保障が設定されています。それは海外での医療費も同様で、一時的に立て替えた医療費が返金されるサービスのほか、キャッシュレスでの診療を可能とするサービスがあるケースも。また、医療機関の紹介や予約をしてくれる海外旅行保険もあります。

 

日本の「国民皆保険」とSDGsの「すべての人に健康と福祉を」


駆け足ではありますが、日本の公的医療保険制度について見て来ました。第二次世界大戦後に日本が掲げた「国民皆保険」は、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」を想起させる取り組みでもあります。しかし実際に世界の80億人もの人々全てを取り残さず、健康や福祉の恩恵を受けられるようにするためには、2030年に設定されているゴールでは間に合わないことでしょう。

 
日本だけではなく、優れた医療保険制度がある国は他にもあります。そうした国々の制度や支援などが、これから80億人すべての人々への健康や福祉に繋がるきっかけやヒントになる日が来るかもしれませんね。

 
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。

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