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【SDGs】日本の「母子手帳」の歴史と途上国への広がり


日本では当たり前のように、女性が妊娠すると「母子手帳」が配布されます。母子手帳は基本的に在住する自治体の役所や保健所、医療機関などでもらえ、妊娠期間中はもちろん、出産、育児に関するあらゆる記録が残されていくものです。この母子手帳は日本発祥のものですが、1990年代ごろからは外国からも注目され、とくに途上国での導入も増えてきています。

 
SDGsにおいても、母子の健康や福祉などは重要視され、安全な出産と子どもの発育への取り組みや対策が世界中でおこなわれています。そのなかにおいて、母子手帳は存在感を増している存在です。

 
今回は母子手帳にスポットを当て、その歴史や内容と、途上国への広がりについてご紹介します。

 

日本の親子を支える母子手帳と、母子手帳への期待


母子手帳は妊娠中の母親の体調管理をはじめ、出産時の記録、子どもの成長や予防接種、病気に関するさまざまな記録ができるようになっています。そのほか栄養指導や育児における注意事項など、多くの情報が母子手帳に記載されています。

 
近年では母子手帳の名称を「親子手帳」にしてはどうかといった案や、「父子手帳」の発行など、「母子」だけではなく父親にも幅を広げていこうという動きが見られます。そして母子手帳は日本だけではなく、途上国などでも期待が高く受け止められ、活用が始まっているのです。

 

母子手帳の歴史

母子手帳は実は通称で、正式名称は「母子健康手帳」です。その歴史は長く、最初に母子手帳が発行されたのは1942年(昭和17年)のこと。当時は「妊産婦手帳」と呼ばれていました。また「乳幼児体力手帳」も発行されていました。

 
1947年(昭和22年)に乳幼児体力手帳と統合された「母子手帳」に、そして1966年(昭和40年)に「母子健康手帳」に名称を変え、現在に至るまで脈々と続いています。現在の母子手帳は医師だけではなく親が子どもの成長記録を書き込めるようになっていますが、これは1981年(昭和56年)から実施されたもの。そのため、それ以前の母子手帳には親によって記載された記録は見られません。

 

母子手帳には何を記載し、何がわかるのか

女性が妊娠すると、大半は医師の指導のもと母子手帳を入手しますが、発行する自治体ごとに大きさやデザインが異なっています。妊娠期間中は、検診のたびに妊娠週数や子宮底長、体重、腹囲、血圧、尿検査の結果など、さまざまな健康状態を医療機関が記入します。そのほか母親の健康状態や職業、環境などを書き込む欄も。母体の様子を詳細に記載していくことで、妊娠の経過を把握できるようになっています。

 
出産時には、分娩時の経過や新生児の性別、身長体重などが記載され、その後は産後の母体の経過と新生児の成長の記録が綴られていきます。

 
子どもの記録には、検診ごとの記入欄、成長曲線、予防接種記入欄など乳幼児の成長に欠かせないものばかりです。妊娠中から出産、そして子どもがどう成長していくのかがわかります。妊娠経過が順調か、子どもの発育に問題はないか、そういった細かな記録を一冊に残せるのが母子手帳の最大の特徴です。

 

母子手帳で守られる母子の健康、途上国での必要性

母子手帳は母子の健康を観察し、守るためには欠かせません。妊娠出産は命がけでおこなわれるため、ときには母子ともに危険な状態になったり、命を落としてしまったりします。日本では出産時や乳幼児の死亡率はかなり低く、その背景には母子手帳の存在があります。

 
いっぽう、途上国での母子の死亡率は深刻で、日本と比べると大きな差が見られます。そういった途上国の妊産婦および乳幼児の命を守るため、日本の母子手帳が注目されました。

 
1990年代ごろから途上国で母子手帳の導入が始まり、いまではおよそ50カ国にのぼる国々が母子手帳を利用しています。なかには国の一部地域のみであったり、一時的な導入にとどまる国もありますが、母子手帳は途上国の死亡率低下に大きく寄与し、さらなる広がりを見せています。

 

母子手帳を開いて、改めて母子を守る効果を知る


途上国の母子手帳導入のための取り組みを進める法人もあるなど、日本発祥の母子手帳は世界で広く活躍しています。SDGsにおいても「すべての人に健康と福祉を」や「人や国の不平等をなくそう」、「質の高い教育をみんなに」など、直接的・間接的に貢献する母子手帳。実際に、「自分の母子手帳」や「自分の子どもの母子手帳」を見たことがあるという方も多いことでしょう。

 
今一度、「自分の母子手帳」や、「自分の子どもの母子手帳」を開いてみることをおすすめします。改めて母子手帳の持つ効果と、母子を守る仕組みなどを知ることができますよ。

 
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。

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