【SDGs】「バーチャルウォーター」の意味と問題を知る


「バーチャルウォーター」という言葉をご存じですか? 「仮想水」とも呼ばれ、名称を一見しただけでは何を指しているのか、どんな意味があるのか想像しにくいのではないでしょうか。

 
バーチャルウォーターはSDGsの6番目の目標「安全な水とトイレを世界中に」にとっても非常に重要で、そしてわたしたちにとっても決して人ごとではないものです。今回はバーチャルウォーターにスポットを当て、その意味と問題についてご紹介します。

 

「バーチャルウォーター」とは?日本と世界の問題


バーチャルウォーターとは、「仮想される水の量」、「推定される水の量」といった意味を持ちます。これは実際に輸入している食材を、もし自国で生産した場合にどれくらいの水を使用するのかを推定した概念のこと。

 
ふだん何気なく食べている食材について、生産の際にどれくらいの水を使用しているのか想像する機会はほとんどないのではないでしょうか。しかしこのバーチャルウォーターという概念は、輸入食材を多く消費する日本にとって、決して無視することができない概念なのです。

 

トウモロコシ1kgの生産にどれくらいの水が必要か考える

環境省のホームページ内「virtual water」によれば、1kgのトウモロコシの生産に使用する水(灌漑用水)は、およそ1,800リットルにおよぶそうです。これを理解したうえでさらに考えると、トウモロコシなどの穀物をエサにしている牛などの動物を育てる場合には、牛そのものに必要な水はもちろん、エサとしている穀物への灌漑用水も必要になります。

 
牛肉1kgには、トウモロコシ1kgのおよそ20,000倍の水が必要になり、当然のことながらその水は生産国が使用します。自国での生産・消費ではなく、輸入に頼っている食材の場合は、生産にかかる大量の水そのものも生産国に由来し、ここに改めて水に関する問題が生じるのです。

 
<出典>
virtual water(環境省):https://www.env.go.jp/water/virtual_water/

 

バーチャルウォーターについて日本で想像できるもの、できないもの

バーチャルウォーターの概念は「生産にかかる水の量」という意味では、理解しやすいものです。しかし実際に想像できるかどうかとなると、話はまた違ってきます。

 
日本では蛇口をひねれば綺麗な水が出てきます。また、水不足に陥ることはあっても干ばつで大きな影響が出ることはほとんどありません。食材の生産に多量の水を消費することは理解しても、ではその水をどう用意するのか、用意できなかった場合はどうなるのか、そして他の国の水事情はどうなっているのか、そういった点では想像が及ばない部分が少なくありません。

 
SDGsの6番の目標「安全な水とトイレを世界中に」からもわかるように、安全な水とトイレを確保できている国は少なく、飲み水の確保だけでも危険を伴う途上国も多くみられます。干ばつや砂漠化、汚染など、水を取り巻く問題は広がりを見せています。

 
日本は食糧自給率が低く、多くを輸入に頼っています。輸入に頼れば頼るほど、海外の水を使用していることになり、バーチャルウォーターは決して人ごとではない問題です。

 

日本とバーチャルウォーター


日本は輸入食材の多さから、その生産にかかった水の量は国内での年間使用水量に匹敵するという計算もあります。個人が生活していくうえで、バーチャルウォーターを意識することはほとんどないことでしょう。

 
水だけではなく、生産に携わった人々の労力や輸送コスト、輸送の際に生じるCO2など、食材を1種類輸入するために多くのものが「発生」します。SDGsにおいてもこれらの問題は複数の目標において提起され、世界中での取り組みが進められています。

 
バーチャルウォーターに関する問題に個人で切り込むことは難しいですが、輸入食材を購入する機会があれば、使用している水の量などについて意識してみてはいかがでしょうか。もちろん、輸入食材だけではなく、国産食材についても水やコストについて考えてみることをおすすめします。

 
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。