「雷が鳴ったら、高い木や電柱からはなれるように」と言われたことはありませんか? 巨大な静電気(せいでんき)である「雷(かみなり)」は、高いところに落ちやすいという性質(せいしつ)があります。
雷のパワーはとても強く、人間にちょくげきしてしまうと命のキケンも。もちろん、建物への落雷(らくらい)もキケンで、電気がショートしたり、火事をまねいてしまうなど、大きなひがいが考えられます。そんな雷をさけるため、「避雷針(ひらいしん)」という道具があります。そこで今回は、「避雷針」についてご紹介します!
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雷がなぜ高いところに落ちるのか、それは高い場所にプラスの電気が集まっているからです。巨大な静電気である雷は雲の中で発生し、そのマイナスの電気が雲の下のほうに集まります。そして地上のプラスの電気と引き寄せ合って電気の通り道ができることで、落雷が起こるんですね。そのため、高い場所には雷が落ちやすくなるのです。
高い場所に雷が落ちても、その電気を地面の中に流してしまう仕組みがあれば、大きな被害をさけることができます。そのための道具が「避雷針」です。
避雷針のしくみは少しフシギです。漢字は「雷を避ける針(かみなりをさけるはり)」と書きます。しかし実際にはさけるのではなく、雷が鳴っているときに落雷をさそうのです。
こうやって見ればカンタンなしくみですが、避雷針を設置(せっち)するための基準(きじゅん)もきちんと決められています。たんじゅんに高いところと地面の中を金属でつなぐというだけではなく、きちんとした基準と技術のもと、避雷針が設置されているんですね。
「【電気の歴史】雷が電気だとわかったのはいつ?だれが発見したの?」と「【電気の偉人】雷が電気であると証明したベンジャミン・フランクリン」の2回にわたって、ベンジャミン・フランクリンを紹介しました。1749年に避雷針を発明したのも、このベンジャミン・フランクリンなんですよ。
ベンジャミン・フランクリンは、タコと「ライデンびん」を使った実験のあと、教会の屋根に避雷針を取り付ける実験をしました。なぜ教会なのかといえば、教会の屋根の上には十字架(じゅうじか)があったり、塔(とう)があることが多く、当時の「高い建物」と言えば教会だったのです。
雷のひがいを少しでもへらすため、発明された避雷針。ベンジャミン・フランクリンの発明から270年たった今でも、避雷針はわたしたちの生活のそばに、さまざまな場所にあります。街に出て高い建物を探せば、カンタンに見つかることも。学校の屋上に設置されていることも多いので、お子様の場合は自分が通う学校の先生にたずねてみてもいいですね。
※避雷針があれば、かならず雷のひがいをふせげるわけではありません。避雷針がある建物の近くが、かならず安全というわけではありません。雷が鳴っているときの外出などはじゅうぶん注意をするようにしましょう。