沖縄の離島「石垣島」の人気観光スポットと言えば「川平湾」。石垣島の美しい海が見られる絶景スポットとして、多くの人々から愛されています。そんな川平湾近くの「川平公園」には人魚像があることをご存じでしょうか。また、石垣島の東部には「人魚の里」と呼ばれる場所があります。
沖縄には人魚伝説が多く、石垣島にも人魚伝説が伝わっているのです。そこで今回は、石垣島の人魚伝説にスポットを当ててご紹介いたします。
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石垣島の東部にある「人魚の里 星野」と、川平湾に近い「川平公園」に佇む人魚像。どちらも石垣島に残る人魚伝説に関するものです。「人魚の里」の人魚伝説は、八重山で起こった災害について伝えるものでもあります。また、川平公園の人魚像は、人魚と人間の若者のラブストーリーになっています。石垣島に伝わる人魚伝説とは、一体どんな伝説なのでしょうか。
沖縄の人魚伝説には津波に関するものがありますが、石垣島の人魚も同様です。石垣島の東海岸、現在の星野集落にはかつて野原村（ぬばれむら）という村がありました。この地で、人魚が漁師の網にかかってしまったのです。
人魚が「逃がしてくれたら、大切な秘密を教える」と伝えると、漁師は人魚を逃がします。その際に人魚は「津波が来る」という秘密を告げたという伝説です。人魚の言葉を信じた人々は避難して助かり、信じなかった人々は津波で命を落としたとのこと。この石垣島の人魚伝説は、「明和の大津波」にまつわる言い伝えとされています。
この伝説の舞台となったエリアは、現在は「人魚の里 星野」として知られ、ホームページでは星野集落の魅力や人魚伝説について伝えているほか、集落の共同売店には可愛らしい人魚像があります。
動画は、人魚伝説を紙芝居にしたものです。「人魚の里 星野」が制作し、YouTubeで紹介しています。
川平湾近くの川平公園にある人魚像。この人魚像には子どもが寄り添っています。川平公園の人魚像は前出の伝説とは異なり、「人魚と人間の若者が幸せになる」といった伝説です。
若者が漁をする網に美しい人魚がかかり、若者は人魚を逃がしてしまいます。不老長寿の薬になる人魚を逃がしたことで、若者は村を追放されました。しかし人魚が若者を連れ帰り、川平に移り住んで幸福な一生を過ごしたという伝説です。また彼らは移り住む際に、人魚の長老から黒蝶真珠を授かりました。
この伝説の詳細は、人魚像の隣に設置された看板に記載されています。川平エリアは黒蝶真珠で知られ、「真珠の里」とも通称されるエリア。川平らしい人魚伝説ではないでしょうか。
石垣島に伝わる人魚伝説についてご紹介いたしました。星野集落の人魚伝説と、川平湾周辺の人魚伝説は、互いに関連があるかどうかはわかりません。しかしこうした人魚伝説が石垣島や八重山はもちろん、沖縄に広く息づいています。石垣島観光の際には、ぜひこうした人魚伝説に触れてみてはいかがでしょうか。
